本研究の目的は, 地域における多施設・多職種デスカンファレンスに参加した地域の医療福祉従事者の体験を探索することである. 地域緩和ケアチームが介入し自宅や施設での療養後に死亡したがん患者3症例のデスカンファレンス参加者のべ56名を対象に質問紙調査を行った. デスカンファレンスの感想と緩和ケアや看取りに関する考えについての自由記載を内容分析した結果, デスカンファレンスの有用性として【多職種との対話による相互理解】【今後の実践につながる気づき】【緩和ケアの学び】などが, 問題点として【多職種との対話における障壁】などが抽出された. 緩和ケアの実践の課題として【緩和ケアや看取りに取り組むための条件】【施設間・職種間連携】が抽出された. 地域の緩和ケア専門家が地域の多施設・多職種との振り返りの場をつくることで, 職種間の相互理解が深まり, 連携の促進と緩和ケアの実践の変化につながる可能性が示された.