Palliative Care Research
Online ISSN : 1880-5302
ISSN-L : 1880-5302
症例報告
重症筋無力症を有するがん疼痛患者に対するトラマドールの導入
山本 泰大藤堂 真紀西田 希久代岩崎 慶大鈴木 千春近藤 美樹木下 章子神原 和代藪下 廣光若槻 明彦松浦 克彦西原 真理新井 健一
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2013 年 8 巻 2 号 p. 570-574

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抄録

【緒言】塩酸トラマドール(TRM)はWHO方式がん疼痛治療法の3段階除痛ラダーで第2段階の弱オピオイドに位置しており, 広くがん疼痛治療に用いられている薬剤である. 今回, 重症筋無力症(myasthenia gravis; MG)を有するがん疼痛患者に対してTRMを使用した症例を経験した. 【症例】70歳代, 女性. 子宮体癌, 右胸壁転移再発あり, 右胸部に疼痛の訴えがあったため, TRMカプセル75 mg/日で経口投与開始となり, 100 mg/日で疼痛コントロールは良好であった. 内服後一過性の筋脱力はみられたものの, 筋無力性クリーゼの出現はなく, 除痛効果を得ることが可能であったため報告する.

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© 2013 日本緩和医療学会
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