2014 年 35 巻 1 号 p. 58-60
7∼8年前から兆しを見せ始めた資源市場の価格高騰は,一昨年の東アジア地域におけるレアメタル問題で一気に火を噴き,科学技術が相場に一騎打ちを挑む様相を見せた。わが国の資源問題を考えるうえで,資源サプライチェーンに並行させるイメージで学問分野のサプライチェーンという考え方を述べる。これからの資源問題の解決に向け,既存の学問分野を連携・融合させ新たな学問を生み出す努力,産業界からのニーズの汲み上げ,より優れた科学技術を生み出すための新たな体制の構築などに大いに期待したい。