日本表面科学会では,社会的に注目されている諸問題の解決に向けた表面科学の成果と貢献を発信すべく,2013年より学会誌「表面科学」に連載してきた「エネルギー問題と表面科学」,「資源問題と表面科学」に引き続き,今年は「環境問題と表面科学」を特集した。環境科学の立場からの寄稿では,大気,水,土壌,温暖化,気候変動,生態系,生物多様性,等々,“多岐の領域における「環境問題」”の現状と課題についての紹介とともに,表面科学への期待が述べられてきた。本号では,本年8月に見直しをした「環境研究・環境技術開発の推進戦略」の紹介と,今後,表面科学・ナノテクノロジーの分野が環境問題に取り組むにあたって心掛けておきたい点について言及する。