Hibernate上でポータブルなデータベースガーベジコレクション(DBGC)を実現した.本ソフトウェアは,ミドルウェアとして利用するHibernateがDBの差異を吸収することでポータブル性を実現している.Hibernateが保有する完全なテーブル間関連のメタデータを利用してGCを実現するために必須の到達可能経路情報を獲得している.GCのアルゴリズムは湯淺のsnapshot-at-the-beginning法を用いた.マーキングはSQLを用いた集合演算によって行っている.GCのマークを世代番号として表現した整数値のマーキングフラグを導入したことで,スイープを通常のmark-and-sweep法の順序とは異なり,任意のタイミングで行うことができる.オブジェクトの新規追加とポインタの参照先の付け替えに関する情報はHibernateが持つオブジェクトの状態監視機構を改変して獲得している.世代番号の制御によってDBアプリケーションと並列にGCを行うことができる.