脳卒中
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原著
小型破裂脳動脈瘤の検討
阿美古 将井川 房夫大林 直彦光原 崇文野坂 亮いな川 哲二
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2008 年 30 巻 1 号 p. 14-17

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抄録

日本脳ドック学会による未破裂脳動脈瘤の手術適応は5 mm以上であるが,5 mm未満の破裂脳動脈瘤も少なからず経験する.我々は,5 mm未満の小型破裂脳動脈瘤の特徴について検討した.1999年4月から2004年3月までに当院に入院したくも膜下出血患者は252例あり,脳血管撮影(DSA)を行われた患者は201例であった.そのうち,DSA上動脈瘤の長径が5 mm未満であったものは64例(31.8%)であった.DSAを行った201例全体をA群,DSA上5 mm未満の群をB群として,年齢・性別・家族歴・高血圧の既往・動脈瘤の部位についてそれぞれ比較検討した.その結果,B群において40歳以下,男性,Acom/DACAで有意に小型破裂動脈瘤が多いことが示された.以上の結果および文献的考察から,特に本邦では動脈瘤は小型であっても破裂する危険性があり,小型の動脈瘤についてさらなる検討が必要であると思われた.

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© 2008 日本脳卒中学会
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