廃棄物学会研究発表会講演論文集
第19回廃棄物学会研究発表会
セッションID: S-6
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廃棄物系バイオマスの利活用 -廃食用油や生ごみなどのバイオマスの利活用に向けて-
水素発酵における基質濃度とpH制御の影響
*清水 哲亀田 知人吉岡 敏明
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抄録

水素生成細菌は有機物を分解して水素と有機酸を生成するが,非解離有機酸によって発酵阻害が起こる。代謝産物濃度は初期基質濃度に応じて高くなり,また,有機酸の解離はpHに影響を受けることから,本研究では基質濃度及びpHを調節することで非解離有機酸濃度を変化させ,それらが水素発酵に及ぼす影響を検討した。その結果、水素生成は酪酸及び酢酸の生成と相関し,基質濃度が低い条件ではこの反応が選択的に起きた。一方,高基質濃度条件では水素生成を伴わない乳酸発酵が起こり,水素収率が低下したが,pH制御を行うことにより乳酸及び酢酸から酪酸及び水素生成反応が促進され,水素収率を向上させることができた。しかし,さらに高基質濃度条件では酪酸生成が途中で停止し,乳酸及び糖質が残存したままになった。このとき,非解離酪酸濃度が約80 mmol/lになると酪酸濃度増加が停止した。

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© 2008 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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