日本東洋医学雑誌
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臨床報告
飯塚病院における漢方専門外医師による漢方製剤の処方実態
金澤 康範竹本 伸輔久保 陽平持尾 佳代子田原 英一矢野 博美三潴 忠道
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2012 年 63 巻 2 号 p. 116-120

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抄録

総合病院である飯塚病院における,漢方を専門としない医師による漢方製剤の処方実態を検討した。平成15年より半期毎に漢方製剤の処方量を包数に換算し,集計した。その結果,漢方製剤の処方量は平成15年から漸増していた。さらに平成21年度下期における医師及び診療科別に処方された漢方製剤の種類及び処方量を検討したところ,漢方製剤別には大建中湯が最も多く,以下大黄甘草湯錠,牛車腎気丸の順だった。漢方製剤は全医師の87%,および全ての診療科で処方されていた。科別の処方量は外科が最も多かった。また,産婦人科,泌尿器科等,使用漢方製剤に各診療科の特徴が現れていた。病院診療において漢方製剤は有用な薬剤だと考えられる。

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© 2012 一般社団法人 日本東洋医学会
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