肝臓
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原著
Ezetimibe併用によるC型慢性肝疾患に対するPeginterferon/Ribavirin療法の成績向上について
野ツ俣 和夫神野 正隆松田 尚登真田 拓新 浩一小坂 星太郎渡邊 弘之登谷 大修田中 延善須藤 嘉子宮山 士朗
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2010 年 51 巻 11 号 p. 607-614

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抄録

C型慢性肝炎に対するPeginterferon alfa-2b(PEG-IFN)/Ribavirin(RBV)療法にコレステロールトランスポーター阻害薬であるEzetimibeを併用する後ろ向き研究を行い,Ezetimibeの有用性につき検討した.PEG-IFN/RBV療法を行い,投与開始から12週目HCV RNA陰性の判定が可能であった1型高ウイルス334例(Ezetimibe併用44例,非併用290例)を対象とした.EVR率は併用群(65.9%)で非併用群(45.2%)より有意(p=0.002)に高かった.多変量解析によるEVR寄与因子にEzetimibe併用が選択された(odds比2.993,p=0.004).累積HCV RNA陰性化率は,併用群で有意に高かった(p=0.0035).投与前の肝脂肪変性の有無に関わらず併用群では非併用群よりEVR率が高い傾向があった.Ezetimibe併用は,C型慢性肝炎に対するPEG-IFN/RBV療法の治療成績向上に有用である可能性が示唆された.

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© 2010 一般社団法人 日本肝臓学会
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