一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
58回大会(2006年)
セッションID: 1P-26
会議情報

ポスター発表
豚肉加工品の食べ易さに及ぼす高圧処理の影響
*伊藤 美樹金 娟廷品川 弘子冨吉 靖子高橋 智子大越 ひろ
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

目的 我が国では近年高齢者人口の増加に伴い、摂食機能が低下した高齢者も増加している。また、摂食機能の低下はPEM(タンハ゜ク質、エネルキ゛ー低栄養状態)になりやすいので、肉製品は有効な食材といえる。昨年度は豚ひき肉にポテトフレーク及びデンプン(置換)を添加した食肉加工品について検討したが、今年度はさらに、高圧処理を行い、豚肉加工品の食べ易さに及ぼすその影響について検討した。
方法 豚挽き肉を対象肉(C)とし、Cの一部をマッシュポテトで置換した「マッシュポテト置換肉」(M)、マッシュポテト及びデンプンで置換した「マッシュポテト+デンプン置換肉」(MS)をそれぞれ加熱処理した。さらに、MSに対して高圧処理(200,400Mpa)を行い、試料とした。若年者及び高齢者を対象とし、食べ易さについて官能評価を行った。また、咀嚼試験を行い、摂食時の嚥下までの咀嚼回数及び嚥下時の食塊を採取し、食塊のテクスチャー特性、唾液分泌率について検討した。
結果 若年者と高齢者をパネリストとして、高圧処理の影響(MSの試料)について官能評価を行った結果、高齢者では軟らかい200MPaの試料肉が最も好まれた。咀嚼試験では、若年者及び高齢者のいずれの対象者も、試料の硬さが増加するにつれ咀嚼回数が増え、それに伴い唾液分泌率も増加する傾向がみられた。高齢者では、軟らかいMSに200MPaの高圧処理をした試料が、硬い高圧未処理(0.1MPa)及び400MPaのものよりも咀嚼回数が少なく、しかも、食塊の硬さも他の2試料よりも低値を示した。また、唾液分泌率は咀嚼回数と関係があり、200MPaのものが咀嚼回数の多い400MPaに比べ、低値を示した。

著者関連情報
© 2006 一般社団法人 日本家政学会
前の記事 次の記事
feedback
Top