2006 年 95 巻 2 号 p. 246-252
不整脈治療方針の大幅な見直しの潮流の中で, 最も注目され臨床への導入が積極的に図られているのがSicilian Gambitの考え方である. “抗不整脈薬の薬理作用を多角的に見直し, Vaughan Williams分類から脱却すべきであること”, “病態生理学的アプローチによる理論的薬剤選択法を導入すべきこと”, “不整脈発生機序の上流にあるさまざまな事象へのアップストリームアプローチを積極的に行うこと”, の3つの新しい提言が骨子になっている. 我が国においても, このSicilian Gambitの考え方を取り入れた不整脈薬物治療に関するガイドラインが制定・公表されている.