2007 年 96 巻 2 号 p. 239-244
便潜血検査は大腸癌スクリーニング検査として広く普及している.症状を訴えて診断された大腸癌と比較すると,検診便潜血陽性で発見される大腸癌の特徴として,(1)早期癌が多い,(2)腫瘍径が20mm以下のものが多い,(3)内視鏡治療の適応となるものが多い,(4)これらの特徴は高齢者でも若年者と同様である,などがあげられる.欧米の大規模なRCTでは,大腸癌死亡抑制効果も証明されており,便潜血検査は大腸癌スクリーニング検査として有効な方法といえる.