日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
III.病態と治療
2.真性赤血球増加症
小松 則夫
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 96 巻 7 号 p. 1382-1389

詳細
抄録

真性赤血球増加症(真性多血症)は慢性骨髄増殖性疾患のひとつで,特に赤血球数の増加が顕著である.EPOなどのサイトカインの細胞内シグナル伝達に中心的役割を担うJAK2チロシンキナーゼの遺伝子変異が高頻度に検出される.この遺伝子変異によって血液幹細胞の赤血球への分化·増殖が促進され,赤血球増加症を来すと考えられる.今後はこの変異分子をターゲットにした分子標的薬剤の開発が期待される.

著者関連情報
© 2007 一般社団法人 日本内科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top