2008 年 97 巻 10 号 p. 2555-2557
当初は軽微な皮膚蜂窩織炎と思われたが,急な経過でショックと臓器障害を併発した.創培養からG群溶連菌が検出されtoxic shock-like syndrome(TSLS)と診断した.TSLSはA群溶連菌が原因となることが多いが,G群溶連菌によるものは近年報告例が増加し高齢者やcompromised hostで発症することがある.また,A群溶連菌によるものと比較して経過が緩徐なことがあり,高齢者の皮膚蜂窩織炎では念頭に置くべき疾患であると思われた.