2009 年 98 巻 2 号 p. 351-356
喫煙は,万病のもとであり,禁煙は,心・血管疾患予防・治療の第一歩である.喫煙は,喫煙者だけでなく,周囲の非喫煙者にも様々な疾患を引き起こす.現在,日本では,約3,000万人の喫煙者がいるが,その多くは「喫煙は嗜好」と捕らえている.未成年者への禁煙教育はもちろん必要であるが,すでに喫煙しているものに対する禁煙指導も重要である.2006年より「喫煙は病気」という考えにより,禁煙外来が保険適応となり,多くの病院が取り入れ始めている.ここでは,喫煙の心・血管疾患に対する影響および医療機関における環境因子の強化としての禁煙外来のあり方や重要性について述べる.