日本内科学会雑誌
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喀血,血痰を繰り返し経気管支肺生検にて肺病変を確認した家族性アミロイドポリニューロパシーの1例
森田 正重本郷 実小泉 知展五味 英一河野 宏広瀬 芳樹大久保 信一草間 昌三望月 一郎
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1988 年 77 巻 9 号 p. 1435-1439

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抄録

症例は41才,家族性アミロイドポリニューロパシー(FAP)の女性で,喀血,血痰を主訴として入院した.胸部X線写真上両側の散在性小粒状陰影,右S6に空洞影を認め, FAPの肺病変,肺結核症を疑った.気管支鏡検査では結核菌は塗抹,培養とも陰性で,経気管支肺生検にて肺血管壁,間質にアミロイド沈着を認めFAPの肺病変と考えた.本症では肺へのアミロイド沈着は剖検例で報告されているのみで,生検例はなく,貴重な症例と考え報告した.

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