日本内科学会雑誌
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多発性〓胞症に傍リンパ管〓胞を合併した1例
腹腔鏡下に無水エタノール注入で治療した傍胆管リンパ管〓胞
西野 雅巳江角 章鄭 英樹広瀬 順弥山本 佳司大橋 誠田中 道夫岸田 隆明山 燿久志水 洋二
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1988 年 77 巻 9 号 p. 1446-1449

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抄録

症例は76才女性で,近医で胆〓腫大を指摘され精査目的にて来院し腹部超音波検査にて総胆管〓胞の疑いにて入院した. CT, DIC, KRCP,胆道シンチ,腹腔動脈造影を施行したが,肝〓胞と総胆管〓胞との鑑別が困難で腹腔鏡を施行した.病変は胆〓内側のリンパ管〓胞であり,造影剤を注入し,リンパ管との交通を確認した.この〓胞に対し超音波下に無水エタノール注入を施行したところ, 1週間後に縮小傾向を示し, 2カ月後には腹部超音波検査上消失した.本症例は他に肝〓胞,腎〓胞もありpolycystic diseaseの一分症として傍胆管リンパ管〓胞が発症したものと考えられるが,文献上他にこのような報告はなく,極めてまれな症例と思われ報告した.

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