2005 年 94 巻 8 号 p. 1555-1563
かかりつけ医は,早期診断のための窓口としてだけではなく,診断後の認知症ケアを支えるための多くの役割がある.また,認知症治療病棟は必要時にせん妄などの精神症状の治療を,一般病院は認知症患者の身体疾患の入院治療を担当するが,病院併設型のもの忘れ外来担当医は,入院中に起こる可能性の高いせん妄などの治療・看護体制を整備しなければならない.また,診療所併設のもの忘れ外来は,受診できない認知症患者への往診やケア困難例へのデイサービスなどを行うとともに,ケアマネジャーからの相談やケアスタッフへの指導を行うことで,認知症ケアネットワークにおいて,患者,介護者,医師,ケアマネジャーやケアスタッフ間の連携のためのコーディネーター役を果たすことができる.