日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
抗凝固療法中に巨大な胃粘膜下血腫を呈した多発性骨髄腫にともなうAL型アミロイドーシスの1例
柳瀬 祐孝早稲田 洋平齊藤 奈津子大石 岳岡田 和弘小林 武嗣金子 周一
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2015 年 112 巻 6 号 p. 1023-1029

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抄録

症例は43歳女性.41歳時より心房細動のため抗凝固療法を行っていた.吐血のため上部消化管内視鏡を施行,胃前庭部に巨大な粘膜下血腫を認めた.第6病日には粘膜下血腫は消失し,巨大な潰瘍となっていた.病理および全身検索の結果,多発性骨髄腫にともなうAL型アミロイドーシスと診断した.AL型アミロイドーシスは約5%に消化管出血をきたす.また,心病変のため抗凝固療法を要することもあり,示唆に富む1例と考え報告する.

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© 2015 (一財) 日本消化器病学会
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