日本食品科学工学会誌
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研究ノート
リンゴ果実の肥大生育期間における部位別銅含量の推移
岩根 敦子
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2009 年 56 巻 6 号 p. 356-358

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抄録

既報5)で,生育過程におけるリンゴの果実部位別無機成分の動向を検討したところ,ボルドー液散布の影響として,果皮の銅の高濃度が認められた.
ボルドー液散布中止15年後の2001年産果実について,既報5)1980年産果実と同じ栽培環境の品種‘ふじ’を生育期別・果実各部位別に銅含量の変化を調べた.
開花盛期後3週から収穫期までの果肉,果芯,種子は両年度の銅濃度が同じ動向を示しており,同時期の銅濃度は近い値である.果肉収穫期の銅濃度は両年度で同じ値を示した. 2001年産果実は1980年産果実より,果皮を除き果肉,果芯,種子の銅濃度および果実1個当たり銅含量が高かった.
2001年産の皮なしおよび皮付リンゴの銅含量は,同値で生鮮重量0.053mg/100g, 1980年産は皮なしが0.048mg/100g 皮付0.072mg/100gであり,皮付使用でも銅摂取量への影響は低かった.

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© 2009 日本食品科学工学会
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