日大医学雑誌
Online ISSN : 1884-0779
Print ISSN : 0029-0424
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原著
新たな人工弁輪 Physio リング-II を用いた僧帽弁形成術
瀬在 明秋山 謙次福島 聖二柏崎 暁高坂 彩子高森 達也塩野 元美高木 康博永島 正明田中 俊行八幡 貴治渡辺 康夫古川 力丈大島 暢平山 篤志
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2011 年 70 巻 1 号 p. 37-41

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抄録

今回,新たに開発された Physio リング-II により僧帽弁形成術を行なった経験を報告する.Phyio リング-II は,Physio リングを改良した人工弁輪で,セミリジッド構造とダブルサドルシェイプ構造をもつ.対象はPhysio リング-II により僧帽弁形成術を施行した 4 例とした.手術死亡,術後合併症はなく,術後 NYHA class分類は全例 I 度に改善した.術後僧帽弁逆流は,2 例がtrivial,2 例は全く認められなかった.術後 LDH は全例正常範囲で,溶血を疑わせる症例はなかった.Phyio リング-II は生理的な弁輪構造をもつ人工弁輪で,僧帽弁形成術の可能性をより広げるものであると考えられた.

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© 2011 日本大学医学会
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