パーソナリティ研究
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原著
幼児の関係性攻撃及び外顕的攻撃による被害と孤独感との関連
畠山 美穂山崎 晃
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2006 年 14 巻 2 号 p. 194-204

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抄録

本研究の目的は,仲間による攻撃被害のタイプによって孤独感に違いが見られるか(研究1),また,攻撃被害のタイプによって被害者の仲間との相互作用の質にどのような違いが見られるのかについて明らかにすることである(研究2).研究1では,5歳児126名の孤独感得点及び攻撃による被害得点を測定した.クラスター分析の結果,関係性攻撃被害得点及び外顕的攻撃被害得点の高低に特徴づけられる4つのクラスター(外顕高群,関係高群,両高群,両低群)を採用した.4つの群の孤独感得点に違いが見られるのかについて検討した結果,両高群と関係高群が外顕高群や両低群と比較して孤独感が高いことが示された.また,研究2では,4つの群で仲間との相互作用にどのような違いが見られるかについて検討した.BORと呼ばれる行動観察記録法を用いて観察記録を分析した結果,関係高群は仲間との相互作用において不自然な応答が多いことが示された.

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© 2006 日本パーソナリティ心理学会
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