2002 年 49 巻 p. 531-535
約20年前に河口位置が付け替えられた鮫川と勿来海岸において, 波・流れ場と河口砂州の変形を計測するとともに, 汀線部で採取した鉛直コア試料を分析した. 砂州変形の計測では, 簡易砂面計を用いて最大侵食深を計測し, 2方向からの高波により砂州が侵食された際に, 高波浪来襲直後に観測した地盤高よりさらに約1mの深さまで侵食が及んでいたことが明らかになった. さらに, 鉛直コア試料の粒度の鉛直分布, Pb-210に由来する自然放射能測定および深浅測量結果を分析することにより, 河口位置の変更に伴う漂砂特性と海岸地形の長期的な変化過程を解明した.