2005 年 52 巻 p. 766-770
外洋に面した大規模港湾では, 長周期波による係留中の大型船舶への荷役障害がたびたび報告されている. 港湾の長周期波対策を立案する上で, 港内外での長周期成分を含めた波浪特性と係留船舶の動揺特性を把握することは極めて重要である. 常陸那珂港石炭バースを対象とした波浪観測と船体動揺計測を行い, 港外から石炭バースへの長周期波の伝播特性を明確にしたと共に, 石炭バースに係留中の石炭運搬船の動揺特性については, SurgeとSwayの各動揺成分でそれぞれの固有周期となる領域で, 長周期波高に対する応答が10倍程度になることが確認された.