2006 年 53 巻 p. 221-225
インドネシア, バンダ・アチェ市街地を対象として, 2004年インド洋大津波の再現計算を実施し, 被害評価を行った. 得られた数値解析結果に基づき, アチェ市の行政区画毎の家屋・人的被害実績を用いてGIS分析を行った結果, アチェ市では津波浸水深が2mを超えると甚大な建物被害が発生し始め, 人的被害についても浸水深2-3mを境に増大することが分かった. 最後に, アチェ市の人口統計データを用いて, 津波の氾濫過程に応じた津波影響人口の時間的推移を求めた結果, 今回の津波浸水による人的被害発生のリスクに曝された住民は, 市全体の人口の約半数にあたることが分かった.