海岸工学論文集
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遡上津波力に関する大規模実験
有川 太郎大坪 大輔中野 史丈下迫 健一郎高橋 重雄今村 文彦松冨 英夫
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2006 年 53 巻 p. 796-800

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抄録

巨大津波の破壊力は, 2004年末のスマトラ沖地震津波において目の当たりにしているが, 陸地に遡上した津波の持つ力の性質については未解明な部分が多く, 避難ビルの耐津波評価をする際の基準や人に対する危険度は明確ではない. そこで, 構造物・人体に対して大規模実験を行い, サージフロント波圧特性や破壊特性を調べた. その結果, 衝撃津波力が発生する場合は既存の式では過小評価につながること, 少なくとも斜流でないと衝撃津波波圧は生じないことがわかった. さらに, 遡上津波と人体に作用する津波力の関係を示し, 成人男性ならびに女性に対する滑動・転倒する目安を示した.

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