三種類の生物で構成されている生態系モデルにおいて, 生物が規則的ではないネットワーク構造上を拡散した場合の個体数の変動について検討した. ネットワーク構造には, 規則的な格子に対して与えられた確率でショートカットと交換したネットワークモデル (small world構造) を導入し, 生態系には植物-被食者-捕食者の三種類の生物による食物連鎖モデルを用いた. 計算結果を最も遠い2点間の相関の値の平均値で比べると, 周囲との連携が深いタイプのネットワークの場合には, small world構造が発達するほど相関の平均値が高くなる傾向が見られた. これは, small world構造をもつネットワークにおける生態系は系全体で同期しやすいことを示している。