2003 年 18 巻 1 号 p. 29-34
動作分析は理学療法の核であるが,スポーツ障害においては特に重要である。それは動きが原因で,スポーツ障害を引き起こすケースが多いからである。筋力評価や筋力トレーニングは重要ではあるが,スポーツ理学療法の一部に過ぎない。単関節筋と多関節筋,拮抗筋,共同筋などを含め,身体全体のパーツとして考えるべきであり,障害関節のみを考えるだけでは不十分である。トータルな評価,トータルなトレーニングが要求されていると考えるべきである。またスポーツ障害を引き起こした原因を追究するためにはスポーツ動作に対する「目」が必要である。筋力低下のみに目を奪われてはならない。