2014 年 29 巻 2 号 p. 283-288
〔目的〕成人脳性麻痺者の腓腹筋(筋腹長,アキレス腱長)に対して,超音波画像とデジタルノギスにて測定し再現性と臨床応用を検討した.〔対象〕成人脳性麻痺者9名(平均年齢35±9.2歳),健常者10名(平均年齢22±0.8歳) 〔方法〕超音波画像から大腿骨内側顆の頂点,筋腹部と腱部の移行部,踵骨の中枢側を同定し,その間の距離を測定した.測定は日を改めて2回行った.再現性の検証には級内相関係数(ICC)を使用した.〔結果〕脳性麻痺のICCは0.93~0.98,健常者のICCは0.76~0.99であった.ただし健常者の筋腹長で最大背屈時の95%CIの下限値は低い値を示した.〔結語〕脳性麻痺者では良好・優秀な再現性を示し,治療方法を検証する評価法としての可能性が示唆された.