2015 年 30 巻 6 号 p. 887-889
〔目的〕後肢懸垂状態においてラットの足関節を一日4時間の最大底屈位固定と20時間のケージ内での自由飼育を7日間にわたり毎日実施し,足関節背屈可動域制限が発生するかを検討した.〔対象〕Wistar系雌ラット7匹を用いた.〔方法〕後肢懸垂は7日間継続して実施した.右足関節は最大底屈位に1日4時間の固定を行い,20時間は固定を外した.左下肢は固定を行わない対照側とした.実験前後の足関節背屈可動域を測定した.〔結果〕背屈制限は右足関節には確認されたが,左足関節には認められなかった.〔結語〕後肢懸垂による低重力は関節拘縮の発生を促進することが示唆された.