臨床血液
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30 (EL1-2)
初発多発性骨髄腫に対する治療
八木 秀男
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キーワード: NDMM, Bortezomib, Lenalidomide, Thalidomide
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2017 年 58 巻 10 号 p. 2050-2057

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抄録

初発多発性骨髄腫に対する導入療法は,ボルテゾミブ,レナリドミド,サリドマイドなどの新規薬剤を含めた多剤併用療法が現在の主流である。65歳以下の若年者と70歳未満で重篤な合併症がなく,心肺機能正常であれば自家末梢血幹細胞移植併用大量メルファラン療法を行うことが推奨されるため,導入療法としては造血幹細胞に毒性のある薬剤が除外される。そのため本邦ではPAD療法,VTD療法,VCD療法,RVD療法などが推奨されているが,レブラミドについては長期使用すると採取困難となる可能性が指摘されており,注意を要する。一方,65~70歳以上の高齢者,重篤な合併症や心肺機能異常を伴う若年者,移植拒否の患者に対しては新規薬剤を含めた2剤または3剤併用療法が有効であり,一般的にVMP療法,MPT療法,Rd療法などが推奨されている。さらに75歳以上の高齢者においては患者因子としての脆弱性を評価し,各薬剤を適切に減量することが重要である。

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© 2017 一般社団法人 日本血液学会
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