α
2-macroglobulin (α
2M)の性状についてセルロース・アセテート膜等電点分画法を用いた交差免疫電気泳動によって調べ, さらに, 種々の細胞を無血清培養しその産生について検討した. 抽出精製した臍帯血のα
2Mでは, 等電点分画法によりほぼ8分画に分離され heterogeneity が認められた. この heterogeneity は, 健常者血清と悪性腫瘍患者血清および臍帯血で異なり, 前者に比べ後2者ではpH range の酸性域への拡大とpH5.0~5.2に存在する main peak が特徴的であった.
肝癌由来細胞株 (Hep G2, Hep 3B) と悪性黒色腫細胞株 (KHm-3/sp) の無血清培養においてα
2Mの産生が認められた. 悪性細胞由来のα
2Mには, Western blotting により正常血清や正常細胞培養上清中に認められない低分子α
2Mが同定された. これは悪性腫瘍患者血清において出現する酸性域のα
2Mの増加との関係は不明であるが, 健常者のものとは異なる特徴が認められた.
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