生物物理化学
Online ISSN : 1349-9785
Print ISSN : 0031-9082
ISSN-L : 0031-9082
等電点電気泳動法 (IEF) による運動性 Aeromonas 属の可溶性蛋白分画の分析
福山 正文鈴木 富美子小林 貞男原 元宣田淵 清伊藤 武古畑 勝則
著者情報
ジャーナル フリー

1993 年 37 巻 4 号 p. 217-220

詳細
抄録

運動性 Aeromonas の分類学的研究の一環として, 等電点電気泳動法により菌体可溶性蛋白分画の分析を試みた. その成績を要約すると以下のとおりである. 泳動によって得られた主要バンドについて検討したところ, A. hydrophila は等電点pI6.5 (band a), pI 6.0(band b), pI5.7 (band c) に特徴的なバンドが認められた. A. sobria の特徴は, A. hydrophila のバンドaを欠くがバンドb, cと同一のpIを示すバンドが認められた. A. caviae では, A. hydrophila およびA. sobria に認められたaあるいはb, cのバンドは認められず, pI5.8 (band d) およびpI5.4 (band e) に特有のバンドが認められた. このように3菌種間にそれぞれ特徴的なpIを示すバンドが認められ, 3菌種の鑑別の補助手段として有用である.

著者関連情報
© 日本電気泳動学会
前の記事 次の記事
feedback
Top