環境科学会誌
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タイル指数とシフト・シェア方法を用いた中国のGDP及びCO2排出量の地域格差分析
韓 驥周 新井村 秀文
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2007 年 20 巻 6 号 p. 449-460

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抄録

 地域格差の拡大は国全体の持続的発展を阻害する要因の一つである。本研究は,中国の地域格差を経済と環境的観点から検討するために,GDPとCO2排出量の二つの指標を用いて評価した。また,GDPとCO2排出量の変化に影響を与えた要因を地域間で比較し,地域の持続的発展に向けた含意と展望を考察した。地域格差の評価では,タイル指数を用いた。要因分解には,シフト・シェア分析を用いた。本研究の結果得られた主な知見を以下に記す。1)中国では,地域内の経済格差は縮小しているのに対し,地域間の経済格差は拡大している。2)中部および西部地区ではCO2排出原単位が高いが,経済水準は低い。3)比較優位に基づいた地域における産業の特化を進め,各セクターにおけるエネルギーの利用効率を促進することは,経済面でも環境でも地域の発展に貢献することが明らかになった。

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