心臓
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症例 DiGeorge症候群に合併した先天性心疾患
手術にて胸線欠損を確認されたDiGeorge症候群の2幼若乳児例
辻 徹瀬口 正史中沢 誠門間 和夫今井 康晴
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1992 年 24 巻 11 号 p. 1266-1271

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抄録

DiGeorge症候群は,第3,4鰓弓の発生異常により胸腺と副甲状腺の無ないし低形成を伴い,テタニー,易感染性を主症状とし,特徴ある顔貌,心大血管奇形を合併する症候群である.今回,我々は術中所見にて胸腺欠損を認めDiGeorge症候群と診断した2例を経験した.症例1は,典型的な大動脈弓離断症(Celoria-Patton分類TypeB)を伴ったDiGeorge症候群である.日齢6で,大動脈弓再建と心内修復術を施行した.術後,重症感染,低Ca性テタニーなどの合併も認められず術後経過良好である.症例2は,大動脈弓奇形のない心房中隔欠損症,心室中隔欠損症,動脈管開存症を伴ったDiGeorge症候群である.術後,低Ca性テタニーを認めグルコン酸Caの静脈内投与,アルファロールの服用を必要とした.術後のリンパ球表面マーカーによる検査では,症例1で,T細胞系の異常が認められたのみであった.染色体検査では2例とも,正常であった.術前,DiGeorge症候群と診断されなかったため,術中2例とも新鮮血輸血を行ったが,術後移植片対宿主反応(GVH反応)はみられなかった.

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