葉酸摂取の上限量を策定する際の基礎データを得ることを目的として,葉酸の継続的な大量摂取が幼若ラットにおよぼす影響について調べた.幼若ラットに葉酸を0.0002%(control食),あるいはcontrol食に0.01%,0.10%,1.0%となるように葉酸(プテロイルモノグルタミン酸)を混餌した飼料を29日間,自由摂取させた.葉酸の大量摂取(1.0%添加食)においても,幼若ラットの成長障害も飼料摂取量の低下も認められず,下痢も見られなかった.また,各臓器重量およびB群ビタミンの尿中排泄量には葉酸の大量投与による影響は全く認められなかった.以上の結果より,少なくとも葉酸1.0%添加食をラットに与えても,体重増加量,臓器重量,B群ビタミン排泄量には何ら影響をおよぼさないことが明らかとなった.