北海道サロマ湖アサリ人工増殖場において,稚貝の成長・生残に適した成育場の選定手法を検討した。1, 2 および 4 工区を対象としたケージ試験と平面波浪場解析の結果,肥満度は 1 工区沖側が最も高く,波・流れによる稚貝の移動確率は 1-3 工区では沖側ほど低いことが示された。そこで,1 工区沖側を稚貝の成育適地と想定し,1 工区沖側と 4 工区岸側において稚貝の放流試験を行った結果,前者は後者に比べて放流 12 か月後の稚貝の殻長が 1.7 倍,生残率が 4.4 倍になることが示され,適地選定の妥当性が実証された。