洗浄処理の違いによる0℃貯蔵中のホタテガイ貝柱の硬化発生率, 破断強度, 筋繊維の収縮率およびATP関連化合物の変化を調べた。硬化発生率は蒸留水洗浄では2日目, 無洗浄および人工海水洗浄では5日目に100%となった。貝柱は収縮率が約25%を超えると硬化の発生が観察された。蒸留水洗浄は無洗浄や人工海水洗浄に比べて貯蔵中に破断強度, ATPおよびpHは急激に低下し, K値は著しく上昇した。以上の結果, ホタテガイ貝柱の真水による洗浄は短時間であっても不適切であり, 海水洗浄が望ましいことが明らかとなった。