大気環境学会誌
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技術調査報告
PM2.5個人曝露調査法の検討
 -個人曝露量と定点観測データとの関係-
中井 里史田村 憲治
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2012 年 47 巻 4 号 p. 179-185

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抄録

微小粒子状物質による健康影響調査を実施、また妥当ならしめるためには、PM2.5の曝露評価が重要であることは言うまでもない。常時監視測定局に代表される定点でのPM2.5濃度と個人曝露量の関係を調べることを目的とするとともに、一般住民を対象とした個人曝露測定が実施可能であるかを調べるための予備調査を実施した。定点測定とあわせて、個人曝露測定用のサンプラーを学生ボランティアに装着してもらった。個人曝露量と定点濃度の変動傾向等が比較的よく一致しており、定点濃度が個人曝露量を代表している可能性が示唆された。また上記個人曝露測定用サンプラーを利用して、さまざまな対象者での個人曝露量調査が実施可能であることが示唆された。なお、個人曝露量測定に加えて、個人曝露量代替指標としての家屋内外濃度測定も実施したが、本研究では個人曝露量と家屋内外濃度の間にさほど強い関係は認められなかった。

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© 2012 社団法人 大気環境学会
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