廃棄物学会誌
Online ISSN : 1883-8960
Print ISSN : 0917-0855
ISSN-L : 0917-0855
6 巻, 4 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 榊 孝悌
    1995 年 6 巻 4 号 p. 271-272
    発行日: 1995/07/31
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
  • 高見澤 一裕
    1995 年 6 巻 4 号 p. 273-277
    発行日: 1995/07/31
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    廃棄物埋立処分地内にはさまざまな微生物が存在し, 廃棄物層の安定化の役割を担っている。しかし, 廃棄物埋立処分地内での微生物の分布やその役割に関して詳細なしかも永続的な調査・研究例は非常に少なく, そのため, 廃棄物の安定化のメカニズムが解明されていないのが現状である。ここでは, 廃棄物埋立処分地を巨大なバイオリアクターとしてとらえ, 重金属類の不溶化への硫酸還元菌の役割を検討した。3年間にわたる廃棄物埋立処分地の調査結果から硫酸還元菌は季節や場所にかかわらず普遍的に分布していることが明らかとなった。硫酸還元菌を用いた重金属の不溶化実験では, 重金属は金属硫化物として不溶化し, カドミウムを用いた例では, 硫化カドミウムとなることがEDXによる解析で証明できた。
  • 松藤 康司
    1995 年 6 巻 4 号 p. 278-284
    発行日: 1995/07/31
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    本稿では, 従来の最終処分場の機能を明らかにするために, 埋立構造の基本概念を述べ, 埋立構造と微生物の役割について準好気性埋立と循環式準好気性埋立の微生物による廃棄物の分解過程について概説する。
    そして埋立地は, 微生物の活動を応用したバイオリアクターの機能を有する「人工の器」としてその機能の拡大が計られていることを明らかにする。一方, 近年埋立廃棄物の性状が変化する中で, 埋立地は「貯留, 保管, 備蓄」の機能が益々求められている。
    このため, 高温焼成木炭を使った「活性化覆土」を循環式準好気性埋立構造と組み合わせた新しい埋立システムの開発を行い, その基礎研究を行った。
    その結果, ABC (Adsorption, Bioreactor and Clean-up) システムを有する埋立構造の可能性が示唆され, これを新しい最終処分システム「デポ・ランド (Depo-Land; Deposit Landfill) 」として提案する。
  • 染谷 孝
    1995 年 6 巻 4 号 p. 285-293
    発行日: 1995/07/31
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    廃棄物埋立処分場における土壌・地下水汚染を防止するためには, 浸出水中の未知の有害物質を検出しその毒性を評価することが必要である。その手法として, 細菌を用いたバイオアッセイである変異原性試験 (エームス試験) が近年注目されており, その原理・調査例・意義などに関して解説した。変異原物質の約80%は発がん物質であり, 変異原性試験は, 発がんに関わる短期スクリーニング試験と位置づけられる。廃棄物埋立期間中の浸出水からは変異原性が検出されることがあり, しかも浸出水の浄化処理により, 変異原性がいっそう高まる現象が認められた。これは, 廃棄物中に存在する変異原物質の前駆体が, 浸出水中の細菌の好気的代謝によって変異原物質に変換されたものと考えられる。浸出水中のこのような変異原物質の挙動の解明を通して, その無害化処理法や除去対策が検討されている。
  • 福山 〓二, 増田 淳二
    1995 年 6 巻 4 号 p. 294-302
    発行日: 1995/07/31
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    埋立処分地で発生するガスの問題は, 環境汚染面や跡地利用時の安全性の面で深く関わっている。その対策を講じるためには, その発生実態を正確に掴み, また, 将来の発生予測を行う必要がある。本稿では, 最初にガス発生を正しく把握するための調査方法を示した。次に, 埋立処分地のガス発生の特徴を著者等の行った10年以上に亙るガス調査結果を示しながら, 概説した。ガス抜き装置を設置した海面埋立地では埋立数年後のガスが旺盛に発生する期間では, メタンガス濃度は, 約17~45%で, 硫化水素濃度も時々50ppm以上含まれることもある。約1, 000万tの廃棄物の埋められたこの処分地では, メタンガスの埋立物1t当たりの発生速度は5~6l/日と計算され, 実際に, 埋立完了前後の数年間は総メタン発生量は, 約20, 000~30, 000m3/日であった。また, 埋立後のメタンや臭気の発生状況の変化を追跡した結果, 埋立6年後には, メタン発生量は最盛時の1/5にまで低下し, また, 硫化水素濃度もほとんどが0.5ppm未満であった。ガス対策として使われる燃焼処理は, 脱臭にも有効で実用的な方法といえる。これらの知見は, 跡地利用計画にも大いに役立つものと考えられる。
  • 河合 啓一
    1995 年 6 巻 4 号 p. 303-309
    発行日: 1995/07/31
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    大阪市北港海面埋立廃棄物処分場内に設けられた高率酸化池における微生物による浸出余水の浄化機構を明らかにするため, 主に好気性の有機栄養型の細菌について, その機能解析を行うとともに, ミクロフローラの変遷など微生物生態学的検討を行った。高率酸化池には食中毒や化膿性疾患等の原因菌は検出しなかった。生息細菌はブドウ糖非発酵型で尿素分解活性を持たず, 低分子の有機酸や無機態窒素を利用する菌群が多数を占めた。安定化池からの浸出余水の移動量が少ないか, 移動していない期間における優占菌種としてAlcaligenes属, Micrococcus属, Moraxella属, Aeromonas属, Acinetobacter属の細菌群が認められた。また, 浸出余水の大量流入に伴い全菌数の増加と優占菌種としてFldvobacterium属とParacoccus属が新たに加わりその多様化が見られた。この原因として安定化池に生息している細菌群の流入と高率酸化池の水質の変化が考えられた。また, 分離した優占細菌 (Micrococcus sp., Paracoccus sp., Acinetobacter sp., Aerococcus sp., Moraxella sp.など) の浸出余水浄化能は同一菌種でも菌株により差が見られた。
  • 森 鐘一
    1995 年 6 巻 4 号 p. 310-321
    発行日: 1995/07/31
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    高率酸化池と安定化池における浮遊生物の出現状況について, 調査研究した。
    高率酸化池の植物プランクトン相は貧弱で, 珪藻綱が水温の高い初夏から秋季に優占的に出現していた。動物プランクトンは, 輪虫綱が植物プランクトンの多い時に, 繊毛虫綱がバクテリアの多い時に多い傾向を示した。
    埋立余水の富栄養化機構を明らかにするために, 1983年から1987年までの5年間, 浚渫土砂処分地の安定化池において調査研究した。安定化池では富栄養化され, 植物プランクトンは103~105/mlの間で変化し, 常時赤潮状態を呈していた。しかし, 特定種が常時赤潮状態を呈しているのでなく, 春季と秋季に多く, 冬季と夏季に少ない傾向にあった。この赤潮状態のプランクトンと水質の鉛直分布について, 8回の調査をしたところ, 植物プランクトンが表層から底層までほぼ均一に分布する場合と, 表層に片寄って分布する場合があった。
    成層構造を示す時は, 上層で動物プランクトンによる摂餌や微生物学的分解が活発で, 下層に到達するまでに分解されていることが推察された。それらの分解, 生成された栄養塩を利用することによって, この水域の極端な赤潮現象が長期間にわたって存在できるものと考えられる。
    動物プランクトンの個体数は, 103~105inds./lの間で変化し, 春季から夏季に多かった。優占種はBrachionus plicatilis (輪虫綱) であり, Apocyclops japonensis, copepodid of Apocyclops, nauplius of Copepoda (Apocyclopsのnauplius期と考えられる) が多い。
  • 上原 陽一, 大谷 英雄, 岡 泰資
    1995 年 6 巻 4 号 p. 322-329
    発行日: 1995/07/31
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    廃棄物を含む物質は単独に存在するときよりも, 混触したときに危険が増大し, 発火したり, 有害ガスを発生したりすることがある。これを混触危険という。本論文では, 発火危険に重点を置き, 危険の程度による分類, 理論的および実験的危険性評価の方法を示した。特に実験的方法として, DTA, DSC, TGのような熱分析法, 定温および断熱試験を紹介するとともに, 新しい試験法としてRSST法の成果を報告した。
  • 森 忠洋, 蔡 惠良, 梁 在〓
    1995 年 6 巻 4 号 p. 330-336
    発行日: 1995/07/31
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    本報告はまちとむらで発生する有機性廃棄物を総合的処理・資源化するための方法を述べたものである。このシステムには二つの技術がある。その一つは高品質コンポストの生産であり, 他の一つは高温・好気法による有機性廃棄物の完全処理である。高品質コンポストは“まち”と“むら”から発生する廃棄物を適正に混合することによって作られる。高品質コンポストは通常の堆肥としての特性を持つだけでなく, 土壌改良効果とかなりの濃度の肥料成分を有している。含水率と通気性の調節のためには第1副資材として木質材を用いた。また, 土壌改良効果と肥料成分を高めるため, 第2副資材として木炭およびゼオライトを用いた。有機性廃棄物の完全処理とは, 有機物が二酸化炭素と水に完全に変換することと, 投入したすべての水分が蒸発することと定義した。有機性廃棄物中のBODと熱量を考慮して混合し, 高温・好気処理を行えば完全処理が可能である。投入した全ての水は有機物が分解する際に発生した熱により蒸発する。
  • 1995 年 6 巻 4 号 p. 337-340
    発行日: 1995/07/31
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
feedback
Top