2014 年 35 巻 p. 61-77
現在世界諸国で試みられている創造的思考力のある人材育成と全人的教育を目指す教科融合教育は,理想的な教育理念の実現を目指しているが,異なる教科を融合する意味をどう捉え,どのように構想し実践するのか,が問われる。本稿では韓国で実践されている融合教育の一つであるSTEAM教育の実践現場を訪問観察し,教科融合の原理と実践の場面を捉え,その成果と課題を明らかにすることとした。その結果,STEAM教育実践場面では美術活動が児童の学習意欲を高めるための補助的道具として用いられており,科学教育と美術教育の相互相関性を追求するまでには至っていないことが明らかとなった。