抄録
筆者は,青年海外協力隊の一員としてモルディブ共和国に派遣され,現地の小学校において2年間美術教育に携わった。本論文は,その当時書き残していた活動記録について質的な分析を行うことで,筆者自身がどのように教育実践を経験したかを明らかにするものである。分析に際しては,活動記録の内容から帰納的に導きだした「分析の視点」を基に記述を分類し,それらを概念化し,カテゴリーを抽出することで,記録の包括的な把握を図った。それら抽出されたカテゴリーから当時の実践を多角的に検証した結果,これまで研究の対象とされてこなかった,美術分野における教育開発の実態と,実践者(筆者)の意識の変容とが明らかとなった。