動物遺伝育種研究
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原著論文
MITF 遺伝子の変異と黒毛和種の白斑との関連性に関する研究
小山 秀美加世田 景示上西 愼茂今村 清人坂元 信一大島 一郎片平 清美河邊 弘太郎岡本 新小林 栄治下桐 猛
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キーワード: 黒毛和種, MITF 遺伝子, SNP, 白斑
ジャーナル オープンアクセス

2019 年 48 巻 1 号 p. 3-7

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抄録

黒毛和種で発生する白斑は、品種の特性に負の影響を与え、一部で経済的損失となる損徴の1 つである。本研究では、Fontanesi ら(2012)によって西欧品種で白斑の有無と関連があると報告されたMITF 遺伝子の変異(g.32386957A&gyT )が黒毛和種でも存在することを確認し、白斑の有無との関連性を検討した。材料には鹿児島県産黒毛和種79頭(正常40 頭および白斑39 頭)のゲノムDNA を供し、ダイレクトシークエンス法および対立遺伝子特異的PCR法(AS PCR)により当該変異の確認および遺伝子型判定を行った。その結果、黒毛和種でも当該変異の存在を確認できた。さらに、これらを白斑群と正常群に分け、遺伝子頻度についてカイ二乗検定を試みた結果、両群間の遺伝子型構成に高度な有意差があり(P = 1.53 × 10-6)、当該変異が黒毛和種の白斑の有無にも強く関連することを示した。しかし、一部で例外が確認されたことから、当該変異だけでは白斑発生の全てを説明できないことも示唆された。

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© 2019 日本動物遺伝育種学会
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