日本ダニ学会誌
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原著
日本および台湾産クマバチのダニ相とアカリナリウムの形態(英文)
岡部 貴美子牧野 俊一
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2005 年 14 巻 2 号 p. 105-115

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抄録

日本産クマバチのアカリナリウムとハチに便乗するダニを調べ, 台湾産2 種(X. tranquebarorum, X. ruficeps) と比較した.キムネクマバチ,アマミクマバチ,オキナワクマバチ,アカアシセジロクマバチは,中胸の翅基部後方と腹部第1 節にアカリナリウムを有したが,オガサワラクマバチには中胸のアカリナリウムがなかった.日本産クマバチには,クマバチコナダニとコガタノクマバチコナダニ, ヒメクマバチカザリコナダニが便乗していた. 竹に営巣するX. tranquebarorum にはどちらのアカリナリウムもなく, 日本産とは別種のSennertia Horstia が便乗していた.Xylocopa ruficeps だけは腹部に大きく深いアカリナリウムを有し,Dinogamasus 属の一種はこのアカリナリウムだけから発見された.コナダニは胸部や翅基部からも得られた.Sennertia 属の第二若虫は付着器や大型の爪などの特殊化した形態を有し,便乗に特化していると考えられた.また,Dinogamasus 属は,大型のアカリナリウムを利用するように特殊化したと考えられた.

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© 2005 日本ダニ学会
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