1994 年 3 巻 1 号 p. 45-53,7
本研究では,自記式簡易QOL調査票の日本語版の作成を行った.この調査票は,患者の一般的な(疾患特有でない)QOLを測定するための調査票であり,疾患に関連する態度(F)が病気の状態(D)に影響し,QOLが変化するという作業仮説に基づいて作成されたものである.調査票の作成に当っては,FとDのそれぞれに関連する項目をスキームに応じて考えだした.この簡略化を,患者を対象とした実際の調査から行った.すなわち,患者を対象とした調査が可能なように,これらの項目をそれぞれ共通の質問項目を含む短い二つの調査票にわけ,実際の調査結果に基づき,数量化III類による構造分析を利用して簡略化を行った.
本研究では,このような方法による一般的なQOLを測定するための日本語版簡易調査票の作成方法について述べる.