接着歯学
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グラスアイオノマーセメント
成川 公一藤井 弁次
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1997 年 15 巻 1 号 p. 78-84

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抄録

システムとして歯質接着性を持つコンポジットレジンは, 審美修復材の主流となっている。 しかし, 歯質接着性に関してはコンポジットレジンより長い歴史を持つグラスアイオノマーセメントがある。 グラスアイオノマーセメントは材料自体が無処理の歯質への接着性を持っているが, 同時にセメント材料としての利点, 欠点をも併せ持っている。 グラスアイオノマーセメントの歴史と改善の様子を知ることは, コンポジットレジンの理解を深める上からも重要である。 グラスアイオノマーセメントは材料自体に歯質接着性を持つ審美性修復材料として発展してきた。 多くの研究によってグラスアイオノマーセメントの利点, 欠点が明らかとなり, 修復材料 (エナメル質代替物) からべース, ライニング材 (象牙質代替物) や合着材に主用途が変わってきた。 修復材としてのグラスアイオノマーセメントの持つ欠点を補う目的でレジン強化型グラスアイオノマーセメントが開発され, その進歩が継続することが期待されている。 しかし, 従来型グラスアイオノマーセメントは, レジン強化型グラスアイオノマーセメントと比較して, 硬化時の収縮率など利点を持っており今後更なる改善が期待される。

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