2013 年 49 巻 6 号 p. 204-210
アクリル系ブロックコポリマーのプローブタック試験時の剥離挙動を高速マイクロスコープで観察し,剥離速度と温度の影響を検討した。試料はポリメタクリル酸メチル-Block- ポリアクリル酸ブチル-Block- ポリメタクリル酸メチルトリブロックコポリマーのハード成分含有量が23と16wt%のMAM-23 と MAM -16,および MAM-23 と同成分のジブロックコポリマーの 1/1 (w/w) 混合物のMAM-23/MA(ハード成分含有量 : 15wt%)の3種類を用いた。23℃,剥離速度10mm/sでは,剥離挙動は3種類に分類された。Type-A: プローブのエッジ部から中央に弾性的に剥離が進行した (MAM-23)oType-B: プローブのエッジ部から中央に弾性的に剥離が進行した。未剥離部分の外周部にキャビテーションが発生した (MAM-16)oType-C: プローブのエッジ部にキャビテーションが発生し,これがプローブ中央に広がった。剥離は起こらなかった(MAM-23/MA)o剥離速度の低下 (1 mm/s) あるいは温度の上昇 (40℃)により,MAM-23 はType-AからType-Bに変化し, MAN-16 および MAM-23/MA はそのままであった。MAN-16 と MAM-23/MA は同等のハード含有量であるのに剥離メカニズムは大きく異なった。MA のソフトブロックは片末端がフリーであるので高い変形性を有している。 このために MAM-23/MA は,剥離の歪エネルギーをキャビテーション発生による変形で緩和し,界面の接着性を高めていた。