思春期学
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原著
入院中の思春期男子への看護介入において女性看護師が認識する困難
前田 貴彦村本 淳子櫻井 しのぶ宮﨑 つた子
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2013 年 31 巻 1 号 p. 152-160

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抄録

入院中の思春期男子への看護介入において,女性看護師がどのようなことを困難と認識しているかを明らかにするため,思春期の子どもの看護経験を有する20~30歳代の女性看護師7人に半構成的面接を実施し,質的帰納的に分析した。分析の結果,認識する困難は,サブカテゴリーの[男子に看護師としての立場を保たなければならない]を含む【男子とのかかわりにおける距離の取り方】,[男子の性に関する悩みや気持ちが理解できない]を含む【男子の思考や趣味の理解】,[男子の弱みをとらえにくい]を含む【男子の内に秘めた感情の理解】,[男子との間で恥ずかしさが連鎖する]を含む【男子に対する恥ずかしさへの対応】の4つであった。そして,これらは,思春期男子の特徴から起こることに加え,思春期男子の特徴を女性看護師が十分理解していないこと,女性看護師の専門職者としての意識,性に関する問題や場面における適切な対応を十分習得していないために困難と認識されることが示唆された。

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© 2013 日本思春期学会
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