デザイン学研究作品集
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電子百葉箱「ウェザーバケット」の開発
木村 健一秋田 純一戸田 真志南條 宏小野寺 則行
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2006 年 11 巻 1 号 p. 2-5

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抄録

身近な気象を自動的に観測して予測を可能にする電子百葉箱ウェザーバケット(図1)を開発した。開発の発端は福島県葛尾中学校の理科教師と筆者らが作ったインターネット版「電子百葉箱」である。これを原型に、文部省(当時)の電子百葉箱プロジェクト(teiten2000)で半製品化を行った。我々のコンソーシアムはPICNICの採用による小型化で開発を継承し、手作り可能な気象観測機の開発・普及計画(ecopic.jp)を通じて、手作りキット化に成功し、同機を函館市内に設置した観測網を構築し実験的な観測活動を行った。更に2004年4月には函館の地元企業SECとの共同研究により北海道の大規模な農地の微細な気象データを取得するための装置として、製品化と市場への投入に漕ぎ着けた。目標である廉価さと取り扱いの平易なシステムの実現に近づきつつある。気象予測ソフトとの併用により農業分野に留まらず、都市の局地的な気象観測の可能性を示唆するなど、評価が高まりつつある。地域の企業と公立大学の共同研究から生まれた製品デザインの開発過程を報告する。

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© 2006 著作者
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