本プロジェクトは、水族館における水棲生物とその生物が生息する環境を対象に、3次元シミュレーションを応用したコンテンツの開発と、それを利用した学習環境の構築を目的としている。このプロジェクトでは、直感的な操作や行動の中から「発見」や「気付き」を実現することによって、利用者が「体験」を通して主体的に対象と関わることのできる環境を提供することを目標に、水槽のシミュレーションコンテンツを制作した。制作したコンテンツ"aqua surf"では、そのコンテンツに対する2つの視点を提供している。ひとつは、水族館の利用者が水族館で通常体験することのできる水槽を外観から見渡す「アウトサイドビュー」である。もうひとつは、一般には体験することのできない水槽内部を自由に移動する「ダイビングビュー」である。このような2つの視点を自由に行き来することができるユーザーインターフェースの提供と、それぞれの視点での直感的な操作によって、利用者は実際に体験することのできない視点であっても、自身の体験としてより主体的な行動をとることが可能となると期待される。